葉酸サプリはどれも同じではありません。
赤ちゃんに影響するものですから、特に安全性には気をつけて選びたいと思いませんか?
安全性で葉酸サプリを選ぶときのポイントは次の6つです。
では詳しく見ていきましょう。
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配合されている葉酸が400μg/1日かどうか
厚生労働省は、妊婦に必要な葉酸の最小摂取目安を1日400μgとしています。
※400μgは0.4mg
葉酸の摂取はお腹の中の赤ちゃんを守るため
疫学研究において、葉酸摂取量の増加に伴い大きな低減がみられるという関係は認められていないことから、発症リスクの低減に有効である最小摂取量を概ね1日0.4mgであると考え、食事に加え、いわゆる栄養補助食品による1日0.4mgの葉酸摂取の情報提供を行うこととした。
引用:厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」より
厚生労働省がこのように情報提供を行うとした理由は、葉酸には二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発症のリスクを低減するとの報告がされているからです。
これは、いいかえれば「お腹の赤ちゃんを守るため」です。
二分脊椎などの神経管閉鎖障害とは胎児の先天異常の一つで、日本国内でも、平成11年の厚生科学研究において二分脊椎の発症率が増加傾向にあることが報告され、さらに今後、食べ物の多様化による食物摂取の個人格差から、葉酸摂取が不十分な人の増加が見込まれ、神経管閉鎖障害の発症リスクの可能性の検討の必要性が出てきました。
神経管閉鎖障害の発症リスクの低減に有効な葉酸の摂取目安が1日400μgとされています。
ですから、葉酸サプリの1日分に、この400μgは配合されているかどうかがポイントになります。
葉酸の過剰摂取に注意!上限は1日1,000μg
また、葉酸が1日400μgあるからといって、多ければいいということではありません。
葉酸の過剰摂取が原因で発症する疾病は特に知られていませんが、発熱、皮膚炎、じんま疹、かゆみ、呼吸障害、亜鉛の吸収が悪くなるなどの影響がありますので、1日の限度量は1000μgとされています。
食事から摂れるポリグルタミン酸型葉酸とサプリなどから摂るモノグルタミン酸型葉酸を合わせて、1日1,000μgを超えないように気をつけましょう。
気になる所では、エレビットの葉酸サプリの葉酸の配合量(1日800μg)が話題になっていますね。
なぜ1日800μgなのか、その量は多くないのかなどをわかりやすく解説している記事もありますので、興味のある方はこちらをご覧ください。
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モノグルタミン酸の葉酸かどうか
「天然」成分と「合成」成分なら、あなたはどちらを選びますか?
「合成は体に悪そう」「天然は体によさそう」と思っていませんか?
摂るべきは合成のモノグルタミン酸型葉酸
葉酸には、おもに食物から摂ることができるポリグルタミン酸と、合成葉酸とよばれるモノグルタミン酸の2つがあります。
葉酸の種類 | 特徴 |
ポリグルタミン酸 |
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モノグルタミン酸 |
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「天然」と「合成」と聞くと、特に体のためを思えば「天然」を選びたいところですが、体内での吸収率を考えると天然のポリグルタミン酸400μgは合成のモノグルタミン酸200μgに相当します。
葉酸に関していえば迷わず「合成」の葉酸を選びましょう。
脂溶性ビタミンなどの過剰摂取にならないか
なぜ脂溶性ビタミンが安全性に関係あるのでしょうか?
脂溶性ビタミンとは、字の通り「脂に溶けやすいビタミン」で、体内に吸収されやすく尿として排出されずに体内に蓄積されやすいため、過剰摂取は妊婦や胎児へ悪影響があります。
そのため、サプリに配合されている脂溶性ビタミンが過剰でないかどうか必ず確認する必要があります。
ビタミンAを過剰に摂取すると流産や胎児の奇形の危険性がある
ビタミンAは鶏レバー、あん肝、うなぎの肝などに多く含まれていて、妊婦が過剰摂取すると流産や胎児の奇形が発生する恐れがります。
18~29歳なら650μg、30~49歳なら700μg(妊娠後期は+80μg)が摂取目安となりますので、摂り過ぎに注意しましょう。
ビタミンDを過剰に摂取すると便秘・嘔吐・腎障害などの危険性がある
ビタミンDの過剰摂取はカルシウムの吸収の過剰を招き、高カルシウム血症を引き起こす恐れがあります。
多飲多尿、嘔吐、便秘、衰弱、倦怠、腎障害などの弊害が引き起こされますので、ビタミンDを多く含む干しシイタケ、肝油、レバー、イワシなどの食べ物の食べ過ぎには注意しましょう。
18~29歳、30~49歳なら5.5μg(妊娠中は+1.5μg)が摂取目安となります。
ビタミンKを過剰に摂取すると抗凝固薬を服用している人に弊害がある
ビタミンKの過剰摂取による妊婦への弊害の報告はされていませんが、抗凝固薬を服用している人は摂取を避けたほうがよいでしょう。
18~29歳、30~49歳なら150μg(妊娠中も同量)が摂取目安となります。
玉露、抹茶、あまのり、乾燥わかめなどにビタミンKは多く含まれています。
GMP認証を取っている工場で製造されているかどうか
GMP認証とは、Good Manufacturing Practice(適正製造規範)の略で、原材料の受け入れから製造、出荷まで全ての過程において、製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれるようにするための製造工程管理基準のことをいいます。
厚生労働省でも、GMP認証を取ることで安全性の確保をするよう事業者に求めています。
参照:厚生労働省「健康食品の安全性の確保施策」より
GMP認証を取得している会社の葉酸サプリは、おもに通販で購入できる葉酸サプリに多い傾向にあります。
葉酸サプリを選ぶ安全基準の一つとして、このGMP認証があるかどうかはしっかりと確認をしましょう。
無添加の葉酸サプリかどうかも確認しておこう
体に入るもので、しかも赤ちゃんに影響するものですから、添加物のあるものよりも無添加のものを選びたいのは当然です。
ただ、「無添加」といってもどんな基準で無添加としているのかは各メーカー次第なところが正直なところです。
保存料無添加、着色料無添加、香料無添加、どれか一つでも当てはまれば「無添加」と表示しているメーカーも少なくありません。
もちろん添加物が入っていないにこしたことはありません。
しかし、消費者の不安をむげに煽って「無添加しか安心できない」と暗示をかけるようなものは間違いで、正確な情報とはいえません。
実際、厚生労働省では添加物についてこう基準を設けたうえで使用を許可しています。
指定添加物
食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が定めたものです。安全性について、食品安全委員会の評価を受けて、個別に指定されます。(ソルビン酸、キシリトールなど)
既存添加物
平成7年に食品衛生法が改正され、指定の範囲が化学的合成品のみから天然物を含むすべての添加物に拡大されました。法改正当時既に我が国において広く使用されており、長い食経験があるものについては、例外的に、法改正以降もその使用、販売等が認められることとなっています。(クチナシ色素、柿タンニンなど)
天然香料
動植物から得られる天然の物質で、食品に香りを付ける目的で使用されるもので、基本的にその使用量はごく僅かであると考えられます。(バニラ香料、カニ香料など)
一般飲食物添加物
一般に飲食に供されているもので添加物として使用されるものです。(イチゴジュース、寒天など)
引用:厚生労働省「食品添加物」より
ただし、注意すべき添加物があることも事実です。
ショ糖脂肪酸エステル(乳化剤)やアセスルファムK(アステルパーム)などは、妊娠中にはできるだけ摂りたくない添加物ですので、必ずサプリを購入する前に配合成分を確認しておきましょう。
購入後も問い合わせができるかどうか(アフターフォロー)
葉酸サプリを購入した後に、
商品についての相談
飲み合わせなどの相談
体に合わなかったときの相談
契約の解除・解約などについての相談 など
このような問い合わせができるかどうかも大切なポイントです。
価格が安いということだけで海外製のサプリを購入すると、説明書きが英語だったり、問い合わせが英語でしかできない、もしくは問い合わせはどこからしたらいいのかわからないなどのトラブルもありますので注意が必要です。
葉酸サプリを選ぶときは、このように問い合わせフォーム(メール、電話)がある会社を選ぶようにしましょう。
処方されている薬との飲み合わせに問題はないか
「薬とサプリの両方を摂れば、効果が上がるかも・・・」
と思っている方がいたら要注意です。
サプリの併用は過剰摂取を除けば、基本的に飲み合わせが悪いことはないといわれていますが、薬との飲み合わせには注意が必要です。
その中で、葉酸サプリに多く含まれているビタミン類・ミネラル系成分と飲み合わせの悪い薬について紹介します。
ビタミン類との飲み合わせとその影響
健康食品に添加されている成分 | 医薬品成分 | 影響 |
ビタミンB6 | フェニトイン(抗てんかん薬) | 薬効の減弱 |
葉酸 | 葉酸代謝拮抗薬(抗がん剤) | 薬効の減弱 |
フルオロウラシル、カペシタビンなど(抗がん剤) | 薬効の減弱 | |
ビタミンK(青汁、クロレラを含む) | ワルファリン(抗凝固剤) | 薬効の減弱 |
ビタミンC | アセタゾラミド(抗てんかん薬) | 腎・尿路結石のおそれ |
ナイアシン | HMG-COA還元酵素阻害薬(高コレステロール血症治療薬) | 副作用の増強(急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症) |
ビタミンD | ジギタリス製剤(心不全治療薬) | 薬効の増強 |
ミネラル系との飲み合わせとその影響
健康食品に添加されている成分 | 医薬品成分 | 影響 |
カルシウム | 活性型ビタミンD3製剤(骨粗鬆症薬) | 腸管からのカルシウム吸収を促進 |
ジギタリス製剤(心不全治療薬) | 薬効の増強 | |
ビスホスホネート系製剤(骨粗鬆症薬) テトラサイクリン系抗菌剤(抗生物質) ニューキノロン系抗菌薬など(抗生物質) |
薬効の減弱 | |
マグネシウム | テトラサイクリン系抗菌剤(抗生物質) ニューキノロン系抗菌薬など(抗生物質) ビスホスホネート系製剤など(骨粗鬆症薬) |
薬効の減弱 |
鉄 | タンニン酸アルブミン(下痢止め) ビスホスホネート系製剤(骨粗鬆症薬) メチルドパ(降圧薬) テトラサイクリン系抗菌剤(抗生物質) ニューキノロン系抗菌薬など(抗生物質) |
薬効の減弱 |
これらの6つのポイントをしっかりと把握して、あなたに合う葉酸サプリを選びましょう。
参照:厚生労働省「健康食品の正しい利用法」より
葉酸サプリを安全性で選ぶときのポイントまとめ
葉酸サプリを選ぶ際に第一に考えたいのが安全性です。
安全性を見極めるために必要なポイントは6つありました。
気になる葉酸サプリが見つかったら、必ずこの6つを確認してから購入するようにしましょう。